交通事故に遭ったとき、被害者・加害者の双方にとって必ず問題となるのが「過失割合」です。過失割合とは、事故の原因について当事者それぞれにどの程度の責任があるかを示す数字のことです。たとえば「8：2」や「7：3」といった形で表されます。

一見すると保険会社同士で話し合って決まるように思えますが、実際には保険会社の判断が必ずしも妥当とは限りません。過失割合が1割違うだけで、賠償額が数十万～数百万円変わるケースも少なくないのです。

この記事では、事故の過失割合でもめたときにどう対応すべきか、保険会社任せにしないための具体的な方法を解説します。

❶｜保険会社の提示は「絶対」ではない

　事故後、保険会社から提示される過失割合は、多くの場合「過去の判例集（別冊判例タイムズなど）」をベースに算定されています。
しかし、

• 実際の現場状況
• 具体的な車の動向
• 車両の速度
• 歩行者や自転車の動き
  など、細かな事情が十分に反映されていないことがあります。

そのため、「保険会社が言うからそうなのだろう」と思い込むのは危険です。

❷｜過失割合でもめやすいケース

　特に過失割合が争われやすいのは、次のような事故です。

• 十字路や交差点での出会い頭事故
• 追突されたが、前方急停車があった場合
• 横断歩道での歩行者・自転車との事故
• バイクと自動車の接触事故
• 一時停止違反の有無が争点となる事故

これらは状況証拠や当事者の主張によって結果が変わりやすいため、保険会社同士でも意見が食い違うことが少なくありません。

❸｜ 自分でできる対応策

　過失割合でもめたとき、まず当事者自身ができることは以下の通りです。

• 事故現場の写真や動画を保存する（ブレーキ痕・信号機・見通しなど）
• ドライブレコーダー映像を確保する
• 目撃者がいれば連絡先を聞く
• 実況見分調書の内容を確認する

これらの証拠があるかないかで、過失割合の判断は大きく変わります。

❹｜弁護士に相談すべき理由

　実際には、当事者と保険会社の話し合いだけでは解決できないケースも多いです。そんなとき、弁護士に依頼することで交渉が有利に進む可能性があります。

• 保険会社との交渉を弁護士が代行してくれる
• 判例や裁判例をもとに適切な過失割合を主張できる
• 裁判になった場合でもスムーズに対応できる
• 結果的に、賠償額が大幅に増えることがある

特に「過失割合で納得できない」「保険会社の説明に不信感がある」という場合は、早めに専門家に相談するのが望ましいでしょう。

■まとめ

　交通事故の過失割合は、示談金額に直結する重要な要素です。

• 保険会社の提示に盲目的に従わない
• 現場証拠を集める
• 納得できないときは弁護士に相談する

これらを押さえておくことで、不利な示談を避けることができます。

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